IP同時再送信の準備


「どうしてネットでテレビが見れないのか?」という竹中前総務大臣が投げかけた
疑問に対し、解決の糸口が見つかろうとしている。
(ネットがインターネットを指しているとそれは駄目かもだが)
2006年12月末に成立し2007年1月11日に施行された改正著作権法により、
IPインフラ上でのIPマルチキャストによるテレビ番組配信をする際、
同時再送信する場合に限り、権利手続きが簡素化されたためだ。


詳しいことは以下で見れるのだが
http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/chosakukenhou_kaisei.html


簡単にまとめると
IPマルチキャストは、著作憲法上、放送ではなく通信とみなされ、
「自動公衆送信」というイマイチ難しい日本語のカテゴリーのものとされている。
従来、放送ではちゃちゃっとハンコ1つで番組送信してもOKとされたものが
「自動公衆送信」では権利関係者1人ひとり、何十人何百人にハンコを貰わなければ
番組送信してもOKとされなかった。それが「自動公衆送信」でも放送並みに
同時再送信時に関してはハンコ1つで番組送信できるようになったということだ。


IP同時再送信の試みは、NTTグループが勧めるNGNのトライアルの中で
すでに1月26日から始まっている。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070126/259737/


大手町にあるショールーム「NOTE」*1とNTT社員の一部を対象として実験は行われている。
NTTコミュニケーションズの配信センターで、MPEG2圧縮方式の地上デジタル放送を受信し
H.264圧縮方式に変換。*2配信センターからNGN網を経由して、
Last MilesのBフレッツを経由して各家庭に届く仕組み。


放送対象エリアは県などの限られた区域ごとになるため、
区域毎に配信センターが必要ということになるが、
現在のNTT東日本など地域会社の運用方法と同じような感じなので
NTTにとって違和感はないだろう。
マルチキャストのグループごとにスコープを限定しているか
アクセスコントロールリストで特定グループ以外通れないようにしているのだろう。


要素技術については、もう少し掘り下げて考える必要があるが、
何はともあれ、日本における放送と通信の壁を取っ払う第一歩になることは間違いないだろう。